瞼の裏側にはいつも笑顔の神様がいる

最後の食事

ひまわりが入院していた頃。
従姉妹がお見舞いに来てくれました。

「ひまわりちゃんが好きそうだから、こんなの買ってきた!」

従姉妹が買ってきたのは、ひまわりの好きそうな紅茶の味のフルーツゼリー。
紅茶ベースのゼリーの中に、マンダリンやピーチが入っていました。
もう食事が殆ど出来なくなっていたひまわり。
これなら食べてもらえそうだと、従姉妹が気を使ってくれました。

「おいしそう、後で食べるからね。」

嬉しそうにひまわりは笑っていました。

その夜、私の携帯にメール。

「ゼリー美味しい!」

と、一言。
事実上、このメールがひまわりの最後のメールになりました。
そして、従姉妹が持って来てくれたゼリーが、ひまわりの最後の食事になったのです。

あの夏は、梅雨が長引き、いつまでも曇り空が多かった。
ひまわりが旅立った日、空は快晴でその日から夏がやって来たようです。

ひまわり
美味しいゼリー、よかったな。
俺がそっちに行くときは、買ってゆくよ。
そしたら一緒に食べような。

群衆

群衆/中島みゆき

群衆の中にいる自分が嫌いだ。

まるで集団心理に埋もれてしまっているようで・・・

自分がちっぽけに見えてしまう。

自分は紛れもない自分で、この中は自分の居場所じゃない。

流されたくはない・・・。

例え美しいモザイクを描けたとしても

訳もわからずに、流されたくはないんだ。

中島みゆき作詞、後藤次利作曲の作品。
アイドル時代の、あの木村某さんの奥様に送られた曲であります。
まぁ、今回はみゆきさんの歌を載せましたけどね。
しかし、アイドルが笑顔を振りまきながら歌う歌ではありませんねぇ。
歌詞の重みもヘッタクレもあったもんじゃない。。。
あ、木村某さんのファンの皆様、それと奥様のファンの皆様。
コレは私個人の見解ですので、気を悪くされたら申し訳ないです。

群衆の中にいたために得られた出会いがある。

出会えた喜び、悲しみ、あるいは苦しみ。

出会えなかった悲しみ、哀れみ・・・。

その中で私たちは出会えた。

その結末は、悲しいものだったけれど

それでもあの群衆の中で、私たちは出会えた。

お前に出会えた喜びにも悲しみにも、私は感謝したい。

ありがとう。

群衆の中で、私を見付けてくれて

ありがとう。

そして私は、100年も続かないドラマを

これからも歩んで行く。

想い

この季節になると思い出す。

妻は酷い花粉症を持っていて、とても辛そうだった。
いつも仕事から帰ると、洗面所に直行し
顔をぐしゃぐしゃと洗い出す。

ひ:ああ、もう顔を外して洗いたいわ。

彼女はいつもそう言って、顔を洗ったばかりなのに鼻をかむ。
寝る前は枕元のティッシュの残量チェック。
もう色気もヘッタクレも無く、鼻ティッシュのまま眠りにつき
夜中に苦しくなって取っては、鼻をかむ。

私はそんな事は全くないもので、見ていて気の毒になってしまう。

ひ:アンタも今になるわよ

という憎まれも、気の毒が優先し哀れに聞こえる。
そう言うわけで、我が家は外でお花見などしたことが無い。

ひ:花見?無理無理無理無理!

聞くだけヤボであった。

ふ、と考える。
人は死ぬと、身体と魂が離れてしまうわけだ。
という事はつまり、妻はもう花粉症の辛さからは解放されているんだよなぁ・・・。
通っていた歯医者にも行かなくていいし、便秘の辛さも味わう事は無いんだよな?

私も、死ぬと天国に行くとか、門の前で綺麗なお姉さんが立っていて選択を迫られるといった事は信じていない。
しかし、本当に死んでしまうと「無」になってしまうのだろうか?
人のような複雑な思考を持つ生物は、きっとどこかに魂とは言わないが、何か「想い」のようなものが残っているのではないだろうか?

私はまだ、死んだ事がないからわからないのだ。
しかし、ついさっきまで、隣で鼻ティッシュ突っ込んで寝ていた妻が
何でも言い合える、一番身近だったヤツが
それを体験してしまったんだなぁと思うと・・・何だか・・・

等と言う事を、最近夜になると考えてしまって、眠れない日々です。

ひまわりよ
君の「想い」はおそらく、息子に集中している事だと思う。
しかし、もしも少しでも俺の事が残っていたとしたら
たまには何か、ほんの些細な何かでいいから
伝えてはくれまいか?
そうしたらな、もう少し早く、俺は眠りに着けると思うんだ。

お久しぶりです。

ひまわりが入院中、私は流山市から都内の病院まで、せっせと通っておりました。
その通り道、言問橋から上野方面に向かう途中に、私はある看板に気付きます。

「パティシエ イナムラショウゾウ」

ん?なんじゃこれ?
「マツモトキヨシ」からこっち、フルネームを店名にするのが流行りなのだろうか?

気になりつつも通過する日が続きましたが、ある日意を決してお店に入ってみました。
駐車場から少し離れたお店の前には、案内係のお兄さん。
お店には4~5人が並んでいました。
お店に入ると、レモネードのウェルカムドリンクのサービス。
やがて私のオーダーの順番がやってきます。
その日は、特製苺ロールとミルフィーユ、そしてこのお店の看板メニューらしいモンブランケーキ、その名も「上野の山のモンブラン」を2つ注文しました。
お金を支払うと、おねえさんが店の外までお見送りしてくれ、ケーキの箱を手渡してくれました。
感じのいいお店です。

店を出て病院に向かいます。
病室には息子とばあちゃんも来ていました。
キアヌ君には特製苺ロール、私はミルフィーユ。
そしてひまわりとばあちゃんには「上野の山のモンブラン」。

初めて寄った店なんだけど、口に合うかな?

と言うと、ひまわりはモンブランを一口。

ひ:美味しい~~っ!

かなりお気に入りのようです。
当然私にも「あ~ん」。
もうマロンクリームは完璧でしょう。
固さ、粘り、そして甘さと香り。
舌の上に乗せられたマロンクリームは、美味しいと言うよりも快感なのです。

これはイケますな。

そして私も、自分のミルフィーユを食べようとしたその瞬間。
ミルフィーユの上に乗せられたマロングラッセを、電光石火の速さでかすめとる者が!
私のたった一つのマロングラッセは、瞬時にひまわりの口中に投じられたのであります。

な、何をする!

ひ:だって、アタシのにこれ乗ってなかったんだもん。おいふぃい。。。

ミルフィーユには乗っているが、モンブランには乗らないマロングラッセ。
なんか不思議なお店です、イナムラショウゾウ・・・。

まぁ、ひまわりさんが最高の笑顔を見せてくれたから、良しとしましょうか。

その後、ひまわりの外出許可が出る度に、このお店に寄るようになりました。
しかし現在、このお店の行列は20~30人待ちは当たり前の繁盛店になってしまいました。

並ぶ価値のある「パティシエ イナムラショウゾウ」。
ひまわりが愛した最後のマロングラッセが味わえます。
並ぶ勇気と気力のある方は、ぜひ一度。

http://www.inamura.jp/

思い出ホットドック

私とひまわりは、結婚する前に少しだけ一緒に暮らした期間がありました。
まぁ、いわゆる同棲ってヤツであります。
平成7年のGWから一緒
に暮らし、6月には籍を入れました。
当時招き猫27歳。
と言うわけで、私ももう32になるわけです(ん?)。

「どうして
も都内に住みたい」

というひまわりの主張で、私たちは江戸川区の瑞江という街に部屋を借りました。
当時私は、自分の仕事を起業す
るための準備をしながら、コンビニで深夜のアルバイトをしておりました。
バイトは夜22時から、翌朝の8時まで。
一日おきの勤務で、バイ
ト明けは夕方まで眠っていました。
ひまわりは看護士をしていましたので、朝出勤し夕方帰宅すると言う生活でした。

夕方、私が眠っ
ていると必ず回って来る移動販売店がありました。
週に3回はその移動販売が来ていたようです。
ひまわりが帰る頃も、その移動販売店は営業
をしていました。
愉快な歌を流しながら。

「ねぇ、今度あのお店で買ってみようよ。」

私たちはいつかそのお店を利
用しようと考えていましたが、ついぞ利用する事無く私たちは引越しをしてしまいました。

少し前に、朱華さんのブログのコメントで、そのお
店の話題をさせていただきました。
その後気になって、店名をぐぐってみました。
ありました、ホームページ。
そしてなんと、あの懐
かしい歌がそのサイトから流れていたのです。

  名も無く貧しく何となく、細々やってる大学堂
 
   
 それでも負けずにおいしいホットドッグだよ♪

大学堂ホームページ


かしいなぁ、ひまわり。
今度移動販売見つけたら、絶対に買おうな。。。

それぞれの幸せ

昔、妻が言っていた。

アタシの夢はね、年をとって田舎に日本家屋を買って暮らすのよ。
縁側でね、猫をひざに抱いてお茶を飲むのよ。

残念ながら、彼女の観ていた夢の中には、私の姿は無かった。
いずれ2人して年老いたら、縁側で日向ぼっこしている彼女に、大好きなロイヤルミルクティを淹れて持って行ってやろう。
私もそんな事を想っていた。

結婚する事をよく「ゴールイン」等と言ったりするけど
結婚は決してゴールなどではない。
恋愛している頃に持っていた「好き」という感情はすぐになくなり
いる事が当たり前になり、やがて鬱陶しくなり
そしてお互いが空気のような存在になる。
再び無くてはならない存在になる頃、ようやく2人のスタートなのかもしれない。
残念ながら、私はそんな経験は出来なかった。
彼女にもさせてやれなかった・・・。

それぞれの思い描く幸せの形ってモノがあるんだと思う。
豪邸が欲しいとか
ブランドバッグが欲しいとか
高級外車が欲しいとか

私の幸せはなんだろうなぁ。
何にも欲しくないや。
何も欲しくないから、生きてゆくのがこんなにもダルっちいんだ。

仕事の合間、道端の植え込みを見ると
私の大好きな花を見つけた。
今年もまた、咲いてくれたんだ。
家に帰ると、息子が顔をくしゃくしゃにして抱きついて来る。
仏壇の妻の写真を見ると、いつもの笑顔で笑っていやがる。
ばあちゃん、お茶~!
等と言ってみる。

ん?ワシは幸せなのかもなぁ。。。
だから生きてゆけるんだ。

無言の中の言葉

久しぶりに妻の夢を観た。
元気に、あの笑顔で「ただいまぁ!」と言って帰ってきたひまわり。

よく帰ってきてくれたなぁ。
仕事なんてしないでいいから、しばらくは家でゆっくりしてろよ。

何故か息子はいなかった。

るるるるる

電話が鳴る。

んあ?

強制的に楽しい夢から目覚めさせられた私。

もしもし。

・・・

深夜の無言電話。

思わず私は訊いてしまった。
そんなはずはないと思いながらも。

「ひまわりか?」

いつまで経っても回答は無く、電話は無言のままずっと切れずに続いた。

「もしもし、切るよ。」

そう言って私の方から受話器を置いた。

そんな電話のせいで、眠れなくなってしまった猫一匹。
息子は寝言で笑ってるし・・・。

久々の更新。

皆さん、お元気ですか?

闇の中の微かな光

先日、フリージャーナリストの黒木昭雄先生とご一緒させていただきました。
私の仕事の師匠である平松氏と共に、深夜にもかかわらず奥様にコーヒーまで。

「猫クンは平松君の御眼鏡に適ったわけだから、オレの目にも適ってる。今度仕事に付き合え。」

現在、黒木先生は生涯を賭けた仕事に取り組んでいるのです。

一般にはほとんど知られていない事件、三陸ミステリーという事件が存在します。
警察もマスコミも、全国指名手配された犯人がこのまま発見されずに
迷宮入りする予定の殺人事件。

たった一人の捜査本部

今、真実は闇に葬られようとされています。
何かの圧力でしょうか?事件の真相はマスコミすら追う事はしません。
追求しているのは、黒木先生とその周辺の協力者数名です。

私に出来る事は、こんな事件が起こった事
そしてその真実が闇の中に葬られようとしている事を一人でも多くの人に知ってもらう事。

もしも、黒木先生から招集されれば、喜んでお手伝いさせてもらおうと思っています。
闇の中の光が、少しでも実体化されるために。

幸せってなんだっけ

昔、妻が言っていた。

アタシの夢はね、年をとって田舎に日本家屋を買って暮らすのよ。
縁側でね、猫をひざに抱いてお茶を飲むのよ。

残念ながら、彼女の観ていた夢の中には、私の姿は無かった。
いずれ2人して年老いたら、縁側で日向ぼっこしている彼女に、大好きなロイヤルミルクティを淹れて持って行ってやろう。
私もそんな事を想っていた。

結婚する事をよく「ゴールイン」等と言ったりするけど
結婚は決してゴールなどではない。
恋愛している頃に持っていた「好き」という感情はすぐになくなり
いる事が当たり前になり、やがて鬱陶しくなり
そしてお互いが空気のような存在になる。
再び無くてはならない存在になる頃、ようやく2人のスタートなのかもしれない。
残念ながら、私はそんな経験は出来なかった。
彼女にもさせてやれなかった・・・。

それぞれの思い描く幸せの形ってモノがあるんだと思う。
豪邸が欲しいとか
ブランドバッグが欲しいとか
高級外車が欲しいとか

私の幸せはなんだろうなぁ。
何にも欲しくないや。
何も欲しくないから、生きてゆくのがこんなにもダルっちいんだ。

仕事の合間、道端の植え込みを見ると
私の大好きな花を見つけた。
今年もまた、咲いてくれたんだ。
家に帰ると、息子が顔をくしゃくしゃにして抱きついて来る。
仏壇の妻の写真を見ると、いつもの笑顔で笑っていやがる。
ばあちゃん、お茶~!
等と言ってみる。

ん?ワシは幸せなのかもなぁ。。。
だから生きてゆけるんだ。

今朝の我が家

私は午前3時半まで、WWEを見て熟睡しておりました。
息子は勝手にPCを立ち上げ、「時効警察」のビデオを観ていたようです。
息子は「時効警察」の三日月君が大好きなのです・・・。
ばあちゃんは4時に起床して、何やら作業をしておりました。

最初に異変に気付いたのは、さすがに年の功。
ばあちゃんであります。

「ちょっとちょっと!ナントカ地震ナントカ速報が出たわよっ!!!」

実にテキトーな日本語で、睡眠時間3時間半の私を起こします。
テレビを見ると、緊急地震速報が出ているではないか!

た、たいへんだぁ~!

間もなく揺れが来る!
Tシャツとトランクス姿で寝ていた私は、慌ててズボンをはく。
この時のために備えておいた、ラジオ&ケータイ充電機能&サイレン機能付きサーチライトを持ち出す。
息子をそばに置き・・・

さぁ、地震来いやぁ~!

しかしながら、待てど暮らせど揺れは来ない・・・。
しばらくすると、千葉県東方沖で地震を観測・・・というニュースが。
我が家では全く揺れは感じられませんでした。

今日は10時ごろまで寝ていようという私の予定はもろくも崩れ、その後もなんとなく地震が来たらいやだなぁという気持ちが先走り、睡眠を取ることは出来ませんでした。

ゴルァ、ヨシヅミ!
睡眠時間返せやぁ~!

まぁ、何事も無くて良かったんですけどね。。。