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日志


9月26日

塩辛の味

ひまわりはお酒はあまり飲めませんでした。
全く飲めないわけではなく、時折カクテルの軽いものは飲んでいました。
あるいは、ワインの甘口のもの。
基本的に、酒の味のしないジュースの様な酒しか飲めません。
そのくせ酔いは早くて、ほんの少しのお酒で真っ赤になっていました。

酒が飲めないくせに、彼女の好物の中には酒のつまみのようなものがあります。
その代表は「イカの塩辛」です。
本当に大好きでしたねぇ。。。

実は、私のばあちゃんの得意料理だったんですよ、イカの塩辛。
ばあちゃんの作り方は、至ってシンプル。
それでは作り方です。

まずは、出来るだけ新鮮なイカを用意します。
そのイカの肝を皮を破らないように慎重にはずし、きれいに水気を取ります。
肝はお皿に乗せ、塩を多めに振り冷蔵庫で寝かせます。
イカの身は皮をむいて、後は切るだけの状態にして同じく寝かせておきます。
一日その状態で置いた後、イカの身をお刺身状に切ります。
そのイカの身に、塩を振って寝かせて置いた肝を和えます。
最後に塩味を調整して、ゆずの皮を刻んで入れます。
この状態で、冷蔵庫で一週間ほど寝かせて食べ頃になります。

さて、私と結婚したひまわりは、このばあちゃんの塩辛を食べて、勧善に浸ることになります。

「おいしい!今まで食べた塩辛の中で一番おいしい!」


そしてひまわり、ついに禁断の行動を取るのです。
ばあちゃんにご飯を要求し、そのご飯にしこたま塩辛を載せ・・・
その上からなんと、お茶をドボドボとかけたのです。

「塩辛茶漬け!」

美味しそうにお茶漬けをすするひまわり。
生臭くないのかなぁ?という私を尻目に、一気に完食。
私にはちょっと無理ですねぇ、いくら好きでも・・・。

そんなに好きならばと、私はある料理を考案します。
名付けて・・・

「塩辛スパゲッティ」


茹で上がったスパメンをオリーブオイルでオニオンスライスと一緒に炒めます。
軽く塩コショウしてお皿に盛り付けます。
その後、これでもか!という程塩辛をスパメンの上に乗せます。
出来上がり。

彼女の評価は・・・

「お腹に余裕があれば、おかわりしたいわ。」


ばあちゃんのイカの塩辛は、誰が食べても美味しいと言ってくれます。
しかし、これほど愛してくれたのは、おそらくひまわりだけだったと思います。

9月21日

きあぬの鉄道⑥葛西地下鉄博物館

 

前方よし!

後方よし!

鉄道には全く興味の無い私招き猫が、鉄道ファンの愛息子のために引きずりまわされる鉄道ロマンの旅。

列車情報は息子に全てお任せのまま・・・


きあぬの鉄道!出発進行!

 
 
さて、お仕事ブログからこちらに移籍してまいりまして初めての「きあぬの鉄道」。
今回私たち親子が乗車してまいりましたのは・・・
いや、今回は乗車しておりません。
今回の「きあぬの鉄道」は、番外編といたしまして東京メトロ東西線葛西駅の敷地内にあります、地下鉄博物館に行ってまいりました。
今話題になっているのは、やはりその規模から申しましてJR大宮の鉄道博物館でしょう。
しかしながら、隠れた穴場的存在の地下鉄博物館も捨てたものではございません。
今回は、少し小さな、それでも鉄道ファンならたまらない魅力いっぱいの地下鉄博物館を、私たち親子がご紹介いたします。
 
 
地下鉄博物館は、都内という立地に在りながらも無料の駐車場を備えるという親切な施設です。
ちょっと離れてはおりますが、無料駐車場に車を停めて博物館入り口に少しわくわくしながら歩いて行きましょう。
入り口を入ると、いきなり切符の販売機。
改札口にあるものと同じものが設置されています。
5歳以上は子供料金ですので、大人1人と子供1人分の切符を購入します。
すると、今度は自動改札。
電車に乗るのと同じ手続きを踏んで館内に入ります。
 
館内に入ると、いきなり懐かしい車両が展示されております。
昔懐かしい、丸の内線の車両。
赤地に白いライン。
ラインの中には銀色の∞マークを連続したようなライン。
この電車、都内に住んでいらした方には懐かしいと感じると思います。
私も子供の頃は乗りましたね~。
 
画像 001
きあぬ君登場!期間限定で写真を公開します。
 
その丸の内線の隣には、これまたレトロな感じの銀座線。
窓枠は木製、つり革は固定式、中には昭和中期のいでたちの蝋人形が飾ってありました。
停車してある場所には、当時の駅に使われていた壁や床のタイルを再現。
きあぬ君、最新の電車も好きですが、こういったレトロ感漂う雰囲気も大好きなようで、駆けずり回って喜んでおりました。
 
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ホームを再現した床には、所々ディスプレイが埋め込まれており、それを食い入るように見つめるきあぬ。
 
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さて、レトロの世界のあとは最新の電車たち。
中央のウィンドウの中には、東京の山の手を再現したジオラマがあり、その中を縦横無尽に地下鉄たちが走り回ります。
 
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精巧に作られた模型が、様々な駅に停車しながらまた走ってゆきます。
それぞれの転写の形式、特徴など、アナウンスのお姉さんが説明してくれます。
 
その他、地下鉄を掘るための機械や、実際に地下鉄が出来てゆく風景の写真など、貴重な資料も見る事が出来ます。
また、地下鉄を走らせるための知識をクイズのように出題してくれるモニターや、パンタグラフを上げ下げする機械も展示されています。
また、車両のドアの開け閉めや、実際の運転席を使って車両の車輪を回すことなども体験できます。
 
一通りの施設を体験したきあぬは、大満足。
画像 010
 
それほど遠くは無いので「また来ようね!」と約束して家路に着きました。
 
 
今回の「きあぬの鉄道」いかがでしたでしょうか?
まだまだ混雑模様の大宮鉄道博物館。
休日ともなれば、それはもう大変な感じだと聞いております。
今回の地下鉄博物館は、実際に電車を走らせるシュミレーションも無ければ、駅弁なども売られていません。
しかし、昔懐かしいレトロな雰囲気や、地下鉄という特殊な電車を走らせる東京メトロ職員の方々の努力を知ることが出来ます。
本当に鉄道を愛する方にとっては、それも捨てがたいものばかりではないでしょうか?
そう考えると、ここはまさに鉄道ブームの超穴場的存在ではないかと、私は感じました。
 
当列車は、間もなく終着駅に到着いたします。
当列車がご案内いたしました、車窓風景、鉄道ロマンなどのお忘れ物はございませんでしょうか?
本日は当列車にご乗車くださまして、まことにありがとうございました。
 
9月11日

二十歳の地図

それはまだ、私たちが出会ってすぐの頃。
付き合っていたわけでもなく、それでも私たちはよく二人っきりで遊んでいました。
その頃はまだ、この人と結婚するなんて夢にも思っていなかったんです。

その頃私は、車が好きな二十歳の小僧でした。
ひまわりも学年はひとつ下になりますが、二十歳になったばかり。
車も免許もないひまわりは、私の車によく乗ってくれました。
私はちょっとばかり、かっこいい車に乗っていたもので・・・。

当然、車に乗ると音楽をかけたりいたします。
私の車には、その頃はまだ珍しかったCDプレーヤーが付いていたりしたのです。
珍しかったんですよ、何せ20年前ですから・・・。
私が当時聞いていた音楽は、フォークソングがメインでした。
有名どころですと、みゆきさんやさださん、谷山浩子。
珍しい人だと、安部恭弘。
ロック系ですと、おなじみ浜省、佐野元春と言う感じです。
その中でも、私がその頃特に必死に聞いていたのは、今は亡き尾崎豊。
尾崎は今のように誰でも聞いていたような感じではなく、マニアのようなファンだけに聞かれていたようなアーティストだったように思います。

ある日、ひまわりを助手席に乗せると、彼女はバッグからCDを取り出します。

「猫クンの車ってCD聞けるんだよね。持ってきちゃった。」

そういって取り出したのは、なんと・・・

「あぶない刑事オリジナルサウンドトラック」

その頃から舘さん命だったひまわり。
その夜、何故か私の車からは、あぶ刑事の音楽が鳴り響いていたのです。

さて、あぶ刑事が終わると、私のCDの番です。

「今俺、こいつを聞いているんだ。」

「誰?ん?知らないよ。」

その頃は尾崎豊を知らなかったひまわりさん。
どこへドライブに行ったのか、どこで何を食べたのか、今となっては忘却の彼方。
帰り際に私は先ほどのCDをひまわりに手渡したのです。

「貸してやるから聞きなさい。」

ありがとうとも言わず、どちらかと言うと少し迷惑な顔をしてCDを受け取るひまわり。
数日経って、突然に私の家の電話が鳴ったのです。

「猫クン、尾崎、ハマッたわ!」

その後、電話で尾崎のこういう所がいいだの、こういう考え方に共感しただの、延々と私に訴えるのです。
その時貸したアルバムは、確か「回帰線」。
当然の事ながら、その後尾崎の全てのアルバムの借用を求められます。
その後、ひまわりとは音信不通になってしまいます。
再会して正式にお付き合いすることになった私たちですが、その時もまだ彼女は尾崎を聞き続けていてくれました。
ひまわり曰く・・・

「尾崎はアンタから初めて受けた影響だわ。」

  

9月4日

誰の様でもない君へ

ある日、ひまわりと一緒にテレビを見ていました。
テレビにはオカマが映っていました。
オカマが他人のファッションを評価していたのです。

「プツ」

ひまわりはテレビのチャンネルを変えてしまいました。

「人のファッションをあーだこーだ言うのは最低だ。」

おぉ!流石りゅうせきながれいし。
我女房ながらわかっていらっしゃる。
私もそういうのが大嫌いなんです。

誰かの言ったファッションを実行することや、誰かの真似をする事がかっこいいとは、私には思えないんですよね。
ひまわりもそういう主義だったんです。

そういうひまわりも、お気に入りの海外のブランドがありました。
私は彼女と付き合うまで、見た事も聞いた事も無いブランド名。
大して高くも無く、人気も無いブランド。
そのブランドのバッグを、確か誕生日にプレゼントした記憶があります。
目玉が飛び出るような金額とは程遠い、私の小遣いでも十分に買えたものでした。
ひまわりは、それでも大喜びで使ってくれました。
(ブランド名が気になる方、コメントください。)

そういうひまわりのファッションセンスは、どうだったかと申しますと・・・
私にネクタイを買ってくれた事があります。
「これ、かっこいいから買って来た。」
そういって出してくれたのは、なんとなく仕事でしていくには少し難しいような色モノでした。
もう少し無難な色だったらなぁ・・・と思いましたが、私は使わせてもらいました。
ひまわりが選んでくれたネクタイですから。

ひまわりは仕事柄、指輪などもしない人なのです。
貴金属などにもあまり興味は無く、これも私がプレゼントした安物のペンダントだけを愛用していました。
警視庁の鑑識課が鑑定してようやく認識出来るのではないかと思われるほどの、小さな小さなダイヤモンドが張り付いているペンダント。
「検査の時外さなきゃならないから・・・」
と言って、入院時には外されていたペンダント。
実は、彼女が旅立っていってから行方不明だったのです。
先日、ばあちゃんがそのペンダントをふいに発見しました。
「これ、アタシが見付けたからアタシが付けるんだっ!」
と主張するばあちゃんが、後を受け継ぐ形になりました。


誰のファッションを真似る事もしなかったひまわり。
君は誰の様でもない、たったひとりのひまわりだよ。
咲いている時間は短かったかもしれないけど、君は確かに美しく咲いていたんだ。
たくさんの人に愛されて・・・。